圧縮空気で砂を吹きつけるサンドブラスト彫刻を広くエッチングと言います。 グラスへのネーム入れ、ペーパーウェイトなど小物への文字入れ、フォトフレームのようなギフトにメッセージを添えて、結婚式のウェルカムボード、さらにはスポーツ大会などで贈られるクリスタルトロフィーにも利用されています。 身の回りに目を移せば、表札、看板、標識、大きなものでは店舗のウインドー装飾やレストランのパテーション、ご家庭の玄関のガラスにも利用されます。 ガラス以外でも、木・石・アクリル・金属など広く対応出来るため、知らない間にエッチングが施されたものを目にしているかもしれません。 オリジナル品は大きなロットでしか注文出来ないことが多いですが、当工房ではおひとつから承ります |
【エッチング】 従来は、金属を硫酸で、ガラスをフッ化水素酸で腐食させて、レリーフを作りだす技法を指します。例えばガラスでは、表面にパラフィンなどの保護膜を塗布し、図案に合わせて除去後、腐食剤に浸します。その際、保護されていない部分のみが腐食することで、ガラス表面に図案に合わせた凹凸が作られます。 現在では、サンドブラストによる彫刻が、一般的にエッチングと呼ばれています。 |
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【サンドブラスト】 ガラス表面に、圧縮空気で研磨剤(サンド)を吹きつけ(ブラスト)て、彫刻する技法です。その際、図案を切り抜いたマスキングシートを貼りつけておくことで、保護されていない部分のみが、ツヤ消し状に彫り込まれます。 ブラストの強弱、マスキングシートの種類、切り抜きの方法など条件を変化させることで、彫りの深さを変化させることが可能です。 |
【エッチングに不向きなガラス】 一般の透明板ガラス(フロートガラスと言います。)に熱処理加工を施した、強化ガラスは、通常のエッチングには不向きです。スリ加工は可能です。耐熱ガラスも同様の素材となります。 【クリスタルガラス】 製造過程で鉛を混ぜ、透明度や屈折率を高くした高級ガラスです。ガラス自体は軟らかく、弾くと心地よい音が出ます。 【ソーダガラス】 珪酸、酸化ナトリウム、酸化カルシウムを主成分としたガラスです。安価で丈夫なため、グラスやビールジョッキをはじめ、身の回りで最も多く使われているガラスです。年月が経つと、ガラスに混じった鉄分が酸化して、やや茶色っぽく変色します。 【被せガラス】 きせガラスと読みます。ガラス素地の上に1〜数種類のガラスを被せています。層の色の違いを利用して、デザインを表現します。 【アクリル】 アクリル、塩化ビニールなど樹脂系の素材は、粘り気があるため、深く彫り込めません。 【金属】 金属は、深く彫り込めません。ガラスでいうところのスリ加工(金属では、梨地加工と言います。)で、図柄を表現します。メッキ部分はコーティングが剥げるため、サビが発生することがあります。 【グラスコート】 透明ガラスに彫刻すると、表面が白くみえるようになりますが、グラスコートを塗布することで、少し透明感が出て、デザインの陰影がはっきりします。 【粉顔料】 粉顔料にグラスコートを混ぜて、塗布します。ラッカーと比べれば、淡い仕上がり具合になります。 |
【スリ加工】 ガラス表面を、均一にブラストする加工法です。くもりガラスの状態になります。ブラストする出力や時間を調整することでデザインの濃淡を表現することもできます。金属の場合は梨地加工と呼ばれます。 【平彫り】 デザインの彫刻部分を均等な深さに彫刻します。もっともポピュラーな技法になります。細かいデザインほど深度は浅くなります。 【裏彫り】 デザインを左右反転させて、素材の裏側から彫ります。透明素材では、表から見るとノーマルなデザインになります。 【段彫り】 線書きのデザインの一部分ずつマスキングシートをはがしながら、順番に彫刻していきます。段差がついて立体感が出ます。 【二段彫り】 やや太めの線書きデザインの線部分を、彫ります。さらにマスキングシートをはがして線に囲まれた部分をスリ加工します。 |
【篆刻(てんこく)】 刀を使って彫り込み、書や絵画に最後に押すことで作品を完成させる篆刻。 当工房では、エッチングによるライト感覚の篆刻を制作しています。ライトといっても手を抜くというわけではなく、身構えることなく、もっと手軽に、手紙やハガキなど日常的に利用しましょうという提案です。 シンプルであれば、イラストも彫刻出来ますのでご相談ください。 石は、通常2.5cm角前後ですので、デザインはそこに収まる大きさ、文字でいえば最大4文字程度でお願いします。細かすぎるラインは深く彫り込めませんので、ご注意ください。 オプションになりますが、側面にもエッチング致します。この場合は、少し大きめのデザインも可能になります。 石は工房仕入れの商品が基本になりますが、材質等で多少値段の上下があります。その際は前もってお知らせ致します。 【ペーパーウェイトスタンプ】 通常のペーパーウェイトを深彫りしたバージョンになります。 細かいデザインは深彫り出来ませんが、太目のデザインであれば浮かし彫りも可能です。洗えばインクが落ちるので、紙カスなども洗い落とせます(数多く使用すれば、微量のインクは付着します)。 出来上がり後は、もちろんペーパーウェイトそのものとして、またオブジェとして利用できます。 未彫刻面を薄くスリ加工すれば、実用性は高まります。 「飾りなのに突然スタンプに」といったサプライズグッズとしてご使用ください。 別バージョンですが、社判をガラスで制作したものもあります。ゴム印ほどの柔軟性はありませんが、これも洗えばインクが落ちますので、長期使用出来ます。普段はオブジェとして話のネタになります。 【キャビネガラスエッチング】 キャビネサイズ(18cm×13cm)のガラスに、お好みのデザインを彫刻します。キャビネサイズのフォトフレームに入れて飾るだけでも充分活用出来ますが、デザインに対応した写真を入れることで、エッチングとのコラボレーションが楽しめます。その他、ウェルカムボードなど様々なシーンで利用可能です。 当工房ではエッチングのバージョンとして、幾つかご提案しています。 【ガラス版画】 キャビネサイズのガラスに、裏から深彫りした商品です。スタンプの大型版とも言えます。デザインによっては、デザイン部分のみ浮かし彫りも可能です。 裏彫りなので、表からは立体的に見えます。実際に版画としても利用できますが、木版画に比べれば実用性は落ちます。未彫刻部分にスリ加工すれば、実用性は高くなります。ただし、飾った場合の陰影は薄れます。これもサプライズグッズとしてご使用ください。 【ダブルエッチング】 表と裏の両側に、違うデザインをエッチングすることで、ひとつの作品としたものです。通常の平彫りよりも、立体感が出ます。濃い色のフェルト等を台紙にすれば、陰影がはっきりして楽しめます。 別バージョンとして、ガラスをミラーに変えた商品もあります。表からは通常のエッチング、裏からはデザインの一部を窓わく状に加工します。窓わく部分は、くもりガラスになりますが、写真やイラストをはさんで演出します。 表から見れば、デザインの一部が自分の顔になるといいった表現が可能になります。 【似顔絵エッチング】 レジャー施設や旅行で、似顔絵をかいてもらった人も多いでしょう。データをお送りくだされば、キャビネサイズの大きさに加工して、エッチングします。 なお、写真データがあれば、工房でも似顔絵の加工を致します(別途デザイン料金)。お気軽にご相談ください。(*ご提供の写真は似顔作成以外には利用致しません。) |
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